コンビニエンスストア「セブン―イレブン」の運営をベトナムで手掛けるセブン・システム・ベトナムは15日、ベトナム1号店をホーチミン市にオープンした。月内に2号店もオープンする予定で、年内に20店舗、向こう3年で100店舗の出店を目指す。店内調理を重視するなど、ベトナムにはない店作りを強みとし、まずは都心部から重点的に出店を進める。
ベトナム1号店は、ホーチミン市1区のサイゴン・トレードセンター内にオープン。午前6時に開店したが、同8時には店の前に行列ができ、入店に時間を要する状況となっていた。
店内には各種の総菜や飲料に加え、抹茶やコーヒー味のパンナコッタ、果物のパックといった価格2万5,000ドン(1.1米ドル、約121円)のチルド製品が並ぶ。取り扱う生鮮食品は100種類を超えるという。店内でベトナムのサンドイッチ「バインミー」を調理し、提供できることも特徴だ。
店舗の面積は164平方メートルで、16日からは24時間営業となる。店舗スタッフは15人前後という。現在、4〜5号店の出店に向けた準備を進めており、2号店は月内にオープンする予定。
オープニングの式典に参加した米セブン―イレブンのジョセフ・デピント社長兼CEO(最高経営責任者)は「ベトナムは、セブン―イレブンにとって19カ国目の出店地となる」とし、「われわれが世界で展開してきた『ほしいものを、ほしい時に提供する』サービスをベトナムでも続ける」と話した。また、セブン―イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「ベトナムと日本では、味付けや好みが異なるが、『安心・安全・フレンドリー』な商品とサービスは、万国共通のニーズだ」とし、「距離だけでなく、心理的な意味でも『近くて便利』なサービスを提供する」と話した。古屋社長は「コンビニ事業の成長は、1社だけでは実現できない」と話し、取引先やサプライヤー、配送業者とのパートナーシップを重視し、共存共栄を目指す方針を示した。
■まずは都心部に重点的に出店
セブン―イレブン・ベトナムは現在約40人の従業員を抱える。同社には、セブン―イレブン・ジャパンからスタッフを5人派遣し、技術支援を実施している。古屋社長はNNAに対し「セブン―イレブン・ジャパンの社員は1年半ほど前からベトナムに滞在し、出店の準備を支援してきた」と話す。
ベトナムの2016年の小売市場は1,580億米ドル規模とされ、20年には1,790億米ドルに拡大すると見られている。コンビニでは地場のベトナム投資グループ(ビングループ)が「ビンマート・プラス」を600店以上展開しているほか、タイ系「ビーズ・マート(B’s Mart)」が約140店を出店。日系でもファミリーマートが100店以上、ミニストップが80店を出しており、特にホーチミン市では競争が激しい。
古屋社長は「都心部に重点的に出店していく」としながらも、「コンビニビジネスでは、店舗数も大事だが、競争力は場所と商品、サービスのかけ算で生まれる」と説明。日本や中国事業で培った、店舗フォーマットに関する考え方をはじめとするノウハウに加え、店内での調理といった強みを磨いていくことで既存店と異なる店作りを推進し、競争力を発揮していく考えだ。


