ベトナムとマレーシア貿易、百億ドル突破 石油製品や電気機器がけん引
ベトナムとマレーシアの2国間貿易が拡大している。2016年には、マレーシアの石油製品、ベトナムの電気機器の輸出拡大がけん引し、貿易額は100億米ドル(約1兆1,200億円)を突破。17年1〜5月の貿易額も前年同期比3割増の約40億米ドルと好調に伸びており、両国は20年までに150億米ドルまで拡大させることを目標としている。
国連貿易開発会議(UNCTAD)と世界貿易機関(WTO)の共同機関である国際貿易センター(ITC)によると、ベトナムとマレーシアの2国間貿易額は、15年に前年比2.9%増の93億米ドル、16年には同10.3%増の103億米ドルに上った。
16年には、ベトナムからマレーシアへの輸出額が6.4%減の45億米ドルに落ち込んだ一方で、マレーシアからベトナムへの輸出額は28.3%増の57億米ドルと大幅な伸びを示した。
マレーシアの対ベトナム輸出を品目(HSコード)別にみると、石油製品を含む「鉱物性燃料など」(HSコード第27類)が前年の約3倍に相当する13億米ドルに急増。対ベトナム輸出額全体の23%を占め、最多となった。
みずほ総合研究所アジア調査部の主任研究員、稲垣博史氏は、「ベトナムは通常、原油を輸出して石油製品を輸入しているが、16年は原油生産の減少を背景に対マレーシア原油輸出は減少した」と説明。その結果、石油製品が不足したため、マレーシアから石油製品の輸入を増やしたと分析する。
一方、ベトナムからマレーシアへの輸出額は総額ではマイナスとなったものの、品目別で最多の「電気機器および部品など」(HSコード第85類)は3.5%増の23億米ドルとプラスを維持した。マレーシアのベトナム貿易局によると、17年1〜5月の2国間貿易額は、前年同期比27.9%増の39億7,400万米ドルに拡大。ベトナムにとってマレーシアは、中国、韓国、米国、欧州連合(EU)、日本、台湾、タイに次ぐ8番目の貿易相手国となっている。
■20年までに150億ドル目指す
ベトナムのチュオン・ホア・ビン副首相は、今月11〜13日にマレーシアを公式訪問し、ナジブ・ラザク首相、アフマド・ザヒド・ハミディ副首相らと会談。2国間での人的交流や貿易、投資の拡大に向けて意見交換した。
マレーシアのムスタパ・モハメド貿易産業相は16年12月、ベトナム・ハノイでチャン・ダイ・クアン国家主席、グエン・スアン・フック首相を表敬訪問。15年に締結した戦略的パートナーシップに基づき、2国間貿易額を20年までに150億米ドルに拡大させる目標を打ち出している。
みずほ総研の稲垣氏は、今後の2国間貿易について、「マレーシアは得意とする電気機器、パーム油、石油製品などが引き続き有望な輸出品目となる。ベトナムの場合は、スマートフォンやプリンター、アパレル製品、農産物といった労働集約型製品が有望」とコメント。ベトナムの対マレーシア輸出が低迷していることについては、「マレーシアは取り立てて保護主義的ということはなく、両国とも東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易地域(AFTA)の加盟国であるため、大きな障害はない」とし、拡大の余地があるとの見方を示した。


